低カロリーなのに栄養満点!キノコを食べよう

日が落ちるのもすっかり早くなって寒さが身にしみる季節になりました。温かいお鍋やシチューが食べたくなりますね。寒暖差で体調を崩しやすいからこそ、旬の食材を食べて丈夫な体づくりを心がけたいもの。
そこで今回は、栄養豊富な旬の食材『キノコ』を特集します。

古くから重宝される万能食材

キノコを食用とした歴史は古く、日本では縄文時代から。ビタミンB群やカリウムなど様々な栄養を持つため重宝されてきました。現代では、人工栽培も行われているためお店に出回る量が多く身近な食材となっています。代表的なものはマツタケ、シイタケ、シメジ、ナメコなど。そんなキノコに期待される健康効果についてご紹介します。

香りが特徴のマツタケ

「香りマツタケ、味シメジ」という言葉があるほど、その芳醇な香りが魅力のマツタケ。特有の香りのケイ皮酸メチルやマツタケオールという成分によるもの。この2つの香りは食欲増進や気持ちを落ち着かせる作用があり、さらに消化酵素の分泌も促します。
さらに、マツタケは低カロリーで栄養素が豊富なことも注目したいポイント。ビタミンDは免疫力を高め、ビタミンB2は粘膜を保護する働きがあります。食物繊維は腸の運動を促進し、便秘予防に効果的です。香り成分は人工的にも生成され、添加物として利用されることもあります。

旨味たっぷり本シメジ

本シメジはマツタケに勝る旨味があるとされ、キノコご飯やすまし汁にピッタリ。ビタミンやカルシウムやリン、マグネシウムなどの栄養バランスが良く、肝臓の働きを保つオルニチンはシジミを上回る量が含まれています。天然物と栽培物がありますが、天然物が市場に出回るのは稀でとても高価です。

食卓の定番シイタケ

ほのかな香りと肉厚の身が特徴のシイタケ。人工栽培が盛んなため、スーパーでもよく見かけるキノコの定番。シイタケ独特の成分エリタデニンは悪玉コレステロールを減らし、血圧の上昇を抑えると言われています。
さらに乾燥させたシイタケにはビタミンDと旨味成分がたっぷり。旨味成分はグアニル酸と呼ばれ、血中のコレステロールを下げたり。血小板の凝集を抑制する働きなどがあり、動脈硬化など生活習慣病の予防にも効果が期待できます。

ヌメリが特有のナメコ

ナメコ特有のヌメリは食物繊維の1種で、胃粘膜を保護して胃炎や胃潰瘍を予防します。また喉や気管支の粘膜を保護して風邪などの感染を防いだり、疲労回復にも効果があると考えられています。他にも、ナメコには免疫を高めるために必要なパントテン酸が非常に多く、体調を崩しやすい季節にぜひ食べたいキノコです。

美容やダイエットにも

キノコは低カロリーですが、噛みごたえがあるため満腹感が得られます。加えて、食物繊維が肥満を防ぐ働きをしてくれるためダイエット中の方にもオススメ。またキノコには新しい肌を生み出すために欠かせないビタミンが豊富。キノコは美容やダイエットの味方となる食材なのです。

一緒に食べたい食材

キノコに含まれているビタミンDはカルシウムの吸収を助ける働きがあります。カルシウムが豊富な魚や乳製品などと一緒に食べることで吸収率をアップ。しらすとキノコの混ぜご飯やクリームシチュー、グラタンなどの料理がオススメです。

キノコを美味しく保存するコツ

保存の前にヒダのある方を上にして太陽光に1時間ほど当てましょう。このひと手間でビタミンDや旨味がアップします。冷蔵で保存する場合は、水分が腐敗のもとなので、キッチンペーパーなどでくるんで保存するのが美味しく食べるコツ。もし使い切れないときは冷凍して保存しておきましょう。細胞壁が壊れることで旨味がアップし、使う時も解凍せずにそのまま調理できるためとても便利です。上手に保存して美味しいキノコを楽しみましょう。

美味しいキノコの選び方

キノコの状態によっては鮮度が低かったり、風味や味が落ちているものもあります。そこでお店で美味しいキノコを選ぶ際のポイントをご紹介します。

カサの開き具合をチェック

カサが開ききっているものは鮮度が落ちている可能性があります。開き具合が6~8割程度の肉厚で、傷が付いていないものを選びましょう。

水っぽいものは避ける

キノコは水に触れると味や香りが落ちてしまいます。水っぽいものは古くなり、鮮度も下がっているため避けるのが無難です。

カサの裏側が白いものを選ぶ

カサの裏側の色が白いのは、キノコが新鮮である証拠。裏側が変色していたり黒くなっているものは避けましょう。

食べないで!キノコ中毒の御三家

旬の時期はキノコ狩りが盛んに行われます。しかし自生しているキノコには危険なものが多くあります。次の3種は日本で食中毒事件が多い代表的な毒キノコ。誤って食べると嘔吐・下痢・腹痛などの中毒症状を引き起こします。キノコ狩りは詳しい人と一緒に行き、よく注意しましょう。

カキシメジ

ブナ、コナラ、クヌギやマツなどの地上部に発生します。3~8㎝のカサは褐色で、ヒダに赤褐色のシミができるのが特徴。主に胃腸に激しい中毒を起こすキノコです。

ツキヨタケ

ブナ、イタヤカエデなどの樹に重なり合って発生。カサは20㎝程度の半円形で、暗い場所で見ると発光します。重度の中毒では痙攣を発し死に至るケースも。

クサウラベニタケ

国内での死亡例もある危険なキノコ。カサは灰色~黄土色で乾燥している時は絹のような光沢があり、湿っている時は濡れたような色ムラと粘性を持ちます。粉臭さやガス臭さが特徴。