【信州探訪】1300年の歴史!信州松本の浅間温泉へ

長野県の魅力をご紹介する「信州探訪」、今回訪れたのは長野県の中央部、松本市に位置する浅間温泉。古くより松本の奥座敷として多くの文人墨客に親しまれてきました。安曇野や美ヶ原など豊かな自然と歴史文化に彩られ、多くの方が観光や湯治に訪れます。

松本の奥座敷

浅間温泉の歴史は古く、西暦698年の飛鳥時代、日本書紀に登場する束間(つかま)の湯であろうと推定されており、1300年もの間湧き続けています。江戸時代には初代松本藩主の石川数正により、御殿湯(藩主が逗留する施設)が置かれ松本城主のお殿様が通うようになりました。湯治場として発展し城主や武士たちの別邸が立ち並び、「松本の奥座敷」と呼ばれるようになったといわれています。現在もこの御殿湯跡が日帰り温泉施設として残っています。

浅間温泉街を抜け歩いて行くと御射(みしゃ)神社春宮があります。もうすぐ新年度ということで、気持ち新たに皆様の健康を祈願しました。

奇祭「たいまつ祭り」

毎年10月になると、奇祭とも呼ばれる「たいまつ祭り」が五穀豊穣と人々の安泰を願って御射神社にて行われます。
里の春宮にいた氏神様が収穫後の麦わらで作った、たいまつの煙に乗って温泉街を通り、奥の秋宮へ帰るとされています。奉納されるたいまつは約50本。1メートルから大きい物では3メートルもあり、燃え上がるたいまつを担いで火の粉を散らしながら温泉街を練り歩く様はとても勇壮です。わらが燃えた後のすすを顔に塗ると無病息災になるといわれており、住民に加え温泉の宿泊客の飛び入り参加も可能とのことで、大勢ですすだらけになって笑い合う姿も。

御射神社の美しい鳥居。取材前日に雪が降り、朱色と白がとっても綺麗でした。

県内屈指の豊富な湯量

浅間温泉は、長野県内の温泉の中でもトップレベルの湯量を誇ります。源泉の温度が約50度のため温度調整が必要なく「完全かけ流し」で入れる宿が多いのも大きな特徴です。無色透明で匂いもほとんどなく、つるつると気持ちの良い肌触りとさっぱりとした湯上がりはやみつきになりそう。ぜひ一度、体感していただきたいです。
温泉はもちろん歴史文化も魅力いっぱいの浅間温泉、近くには国宝の松本城もあります。お越しの際は城下町松本のいろいろな文化に触れてみるのも良いですね。

アルプスがモチーフの目を引く看板に見送られ、名残惜しくも浅間温泉を後にしました。