感動から生まれた習慣!冬を彩るイルミネーション

早いもので今年も残すところあと一ヶ月。街ではイルミネーションが色鮮やかに光っていますね。今ではすっかり冬の風物詩として定着したイルミネーションですが、いつどこで始まったのかご存知ないという方も多いのではないでしょうか。そこで今回はイルミネーションの歴史から見どころのスポットまでご紹介します。

感動した星空を我が子に見せるため

夜にキラキラと輝くイルミネーションは幻想的ですね。その規模はご自宅で飾るようなものから、街中を彩るような大掛かりなものまで様々。そんなイルミネーションは美しい星空を見た一人の男性によって始まったと言われています。男性の名は、16世紀の宗教改革で有名なマルティン・ルター。ある日の夜、彼はクリスマス礼拝から帰宅中の森で、常緑樹の間からきらめく数多の星を目にして感銘を受けました。そこで自分の帰りを待つ我が子にも「この素晴らしい光景を見せてあげたい」と思い立ち、小さなモミの木の枝に多くのロウソクを飾りつけてその情景を再現しようとしました。これがイルミネーションの由来の有力な説とされています。

発明王エジソンが電球でビルを装飾

その後、1880年にアメリカの発明王エジソンが白熱電球を発明したことがイルミネーションの発展の大きなきっかけとなります。その2年後、エジソンは本格的な電灯照明事業に進出。そこで製品の宣伝のために、マンハッタンの900棟のビルを1万4000個の電球で装飾し当時の人々を驚かせました。これが世界初の電球によるイルミネーションとされています。1890年にはクリスマスツリー用の電球として大量生産が始まり、一般市民へと普及するようになりました。

夏目漱石も見た日本のライトアップ

戦国時代、織田信長が「安土城の城内に沢山の提灯を吊るさせ、道には馬を配置し入江には船を浮かべて松明を灯させた」という記録があり、これが日本初のイルミネーションという説があります。そして、電球イルミネーションが登場したのは1900年。神戸沖において行われた観艦式で、夜間、各艦船が発光して海面を照らしたのが始まりとされています。その後、明治時代に大阪で開催された内国勧業博覧会では約6700灯のイルミネーションが評判となりました。さらに東京勧業博覧会では約3万5000灯の電灯イルミネーションが灯され、その様子は夏目漱石の小説『虞美人草』(ぐびじんそう)にも記されています。

イルミネーションはなぜ冬に盛んなの?

イルミネーションには、クリスマスイベントとしての役割だけでなく、寒く厳しい冬季の夜を明るく彩るという意味が込められています。また、冬場は空気が澄んでいるので光が一段ときれいに見えることや、葉を落とした後の枝の方が電球を取り付けやすくて木への負担が少ないことも理由でしょう。さらに日没が早いため、暗くなった冬の夜道を電球の光が照らすことで人の顔がわかったり、イルミネーションを見ようと人通りが増えるため防犯効果に繋がるとも言われています。その他、年末商戦の経済効果を最大化するために華やかさと高揚感を創出しているのもあるかもしれません。こうしてイルミネーションは時代の経過とともに一般家庭の装飾レベルから大規模なイベントへと広がり、世界的に冬の風物詩として定着していったのです。

クリスマスツリーをきれいに飾ろう!簡単3つのポイント

美しいイルミネーションに仕上げるコツは、枝の先端にきちんと電球がつくように留めることです。また、木に取り付ける際は、強く縛ってしまうと枝を痛める原因になりますので、コードが落ちない程度に括り付ければOKです。

【ポイント①】上から下へ等間隔に巻きつける

【ポイント②】枝の外側から内側へ向かって飾り付ける

【ポイント③】電球の下端の高さを揃える

【2022最新版】注目のおすすめイルミネーション

今年も見応えあるイルミネーションイベントが全国各地で開催されます。その中からオススメの会場を3つご紹介。この冬はぜひ気になるイベントに足を運んでみてはいかがでしょうか。

国営アルプスあづみの公園

だいにち堂のある長野県安曇野市で開催のウィンターイルミネーション!県下最大級の規模で、信州の豊かな山なみや清らかな川の流れなどを光で表現。幻想的な世界観を楽しむことができます。

なばなの里 ナガシマリゾート

三重県桑名市で開催の国内最大級規模を誇るイルミネーションは、日本全国から観光客が訪れます。特に人気なのが全長約200mの光のトンネル「華回廊」。その美しさは世界の絶景にも選ばれるほどです。

国営備北丘陵公園

広島県庄原市にある国営備北丘陵公園で開催されているイルミネーション。樹木や地形を活かし、70万球の電球を使って光に包まれるような奥行き感のある光景を演出。まばゆい光は見応えたっぷりです。