受験シーズン到来だ!脳を知って記憶力アップ!

2月になるとグッと寒さも深まると同時にお子さんやお孫さんがいる家庭では「受験」の2文字がより一層目にとまる時期ではないでしょうか?
受験攻略のカギは『記憶力』。もちろん受験だけではなく、資格の勉強や待ち合わせ時間を覚えるなど、日常生活でも「覚える」ことは避けては通れません。ここでは「記憶」を司る脳の仕組みについてみていきましょう。

人間の脳に住む「3つの動物」

生命が誕生した数億年前から、生物の脳も進化を経て今の形になりました。その進化の名残は人間の脳にもあります。私たちの脳は大きく分けると次の3つの部位から成り立ち、記憶する内容により各部位を使い分けています。

  • 脳幹『は虫類脳』
    は虫類脳と言われ、呼吸、体温、ホルモン調節といった生きるための基本的な働きをし、脳の一番奥にあります。
  • 大脳辺縁系『馬の脳』
    馬の脳と言われ、意欲や「喜怒哀楽」などの感情を司る部分で、脳の真ん中にあります。
  • 大脳皮質『人の脳』
    人の脳と言われ、五感や運動、言葉、思考、判断などの人間がより良く生きるための「知性」に関する高度な機能を果たしています。脳の一番外側にあります。

頭と体で覚える2種類の記憶

ではこれらの部位が記憶にどのように関連しているのでしょうか。
まず、記憶には頭で覚える「陳述的記憶」と体で覚える「手続き記憶」の2種類があります。漢字や、公式、歴史の年号を覚えるのは頭で覚える陳述的記憶で、馬の脳に位置する海馬の働きによるものです。この記憶は一度覚えても意外と簡単に忘れてしまいます。
一方、体で覚える手続き記憶は泳ぎ方や自転車の乗り方などを覚える記憶です。一度覚えると、なかなか忘れることはありません。例えば、自転車に10年間乗らなくても、体が覚えているため乗ることができますよね。手続き記憶は脳幹付近にある大雑把な動きを記憶する部位と脳の後ろにある小脳が使われます。

記憶定着のポイント

手続き記憶は勉強や暗記と無関係に思えますが、この記憶をうまく使うことで忘れにくい記憶として留めることが可能です。ポイントは、一度に頭に叩き込むのではなく、1日5分や10分でも毎日反復してインプットすること。脳の中に少しずつ回路が作られ、電流が強く流れるようになります。
また体を動かしながらインプットしていくのも効果的。ギネスブックの記憶力世界一の記録保持者は「歩きながら学んだほうが、じっと座っているより2倍効果がある」と述べました。勉強となると机に向かって勉強しているイメージがありますが、意外と動きながら学んだ方が効率はいいかもしれませんね。

記憶力アップ!?脳の働きを高める栄養

記憶力をアップするには、食事で脳のコンディションを整えることも大切です。脳が栄養不足だと、パフォーマンスが悪くなり、情報を記憶しにくくなるかもしれません。脳を元気な状態に保つために良い3つの栄養素をご紹介します。

ブドウ糖

ブドウ糖は、脳のエネルギー源となる唯一の栄養素。ブドウ糖が足りないと脳は充分なパフォーマンスを発揮できない可能性があります。健康を維持しながらの記憶力アップには、糖の吸収がゆるやかな「低GI食品」がオススメです。玄米、そば、バナナ、さつまいも、りんごなどを食事に取り入れてみましょう。

オメガ3

オメガ3は、毎日の摂取が推奨されている「必須脂肪酸」の一種。脳の大部分は脂肪(油)によって、神経細胞のネットワークが築かれ、情報伝達をスムーズに行えるため記憶・学習能力の向上につながります。

ポリフェノール

ポリフェノールはワインやコーヒーなどの食品に含まれ、抗酸化作用に優れた栄養素です。特に、高カカオチョコレートに含まれるカカオポリフェノールは、脳細胞の酸化を防ぎ、活性酸素を減らす働きがあることでも有名です。