福をかっこめ酉の市‼武運長久・商売繁盛のお祭り

例年11月の酉の日に行われるお祭り『酉の市』。ご自身で会社やお店を経営されたりする方は馴染みが深いのではないでしょうか。全国各地から熊手を求めて多くの人が訪れ、日本最大の酉の市とされる東京都台東区(浅草)の鷲神社ではなんとおよそ80万人にも達するそうです。もちろん私達だいにち堂のスタッフも立派な熊手を探しに向かいます。

江戸時代から始まった日本武尊を祀る風物詩

酉の市は、鷲神社や酉の寺など鷲や鳥にちなむ寺社の年中行事の一つ。有名なのは浅草の鷲神社ですが、関東各地で行われているお祭りです。始まりは江戸時代とされており、今は全国的に商売繁盛のお祭りとして有名になりましたが、その由来は神道と仏教では異なるのが特徴です。

まず神道では鷲神社の祭神である日本武尊(ヤマトタケルノミコト)が東征の先勝祈願をし、社前に武具の熊手を立てかけたことが始まりだとしています。そして仏教では、1771年に浅草の長國寺で鷲妙見大菩薩(ワシミョウケンダイボサツ)の開帳日が11月の酉の市だったことが起源だとしています。どちらとも納得の由来ですね。

酉の市で熊手を買う理由って?

酉の市と言えば色とりどりに装飾された熊手。「武運長久や商売繁盛をかき集める(かっこむ)ことができますように」という意味から売られるようになりました。江戸中期は、実用品の熊手におかめの面をつけた程度のシンプルなものが主流でしたが、年々、宝船や桧扇、米俵、鯛など縁起物の装飾が次々と施されるようになったそうです。

また、酉の市自体の意味も時代とともに変わってきました。当初は商売繁盛や豊作を願うお祭りでしたが、最近では恋愛成就や家内安全などの願いを込めた熊手も売られています。自営業や経営者の方だけでなく、どなたでも楽しむことができるため、機会があればぜひ行ってみてはいかがでしょうか。

個性豊かな熊手の選び方とは?

実際に酉の市に行くと、熊手を売っているお店の数に圧倒されます。浅草の鷲神社では、なんと100を超える店舗がひしめき合い、まるで迷路のよう。1メートルを有に超える大迫力の熊手から、かわいらしい招き猫がのった手の平サイズのものまで、その種類は実に様々。何を買えばいいのか迷ってしまいます。

伝統的なものは、壁や大黒柱にかけるタイプ。しかしマンションなどの共同住宅が増えてきたため、テーブルやカウンターに置くタイプのものも多くなりました。どちらの方が縁起が良いというわけではないので、生活スタイルに合わせて選ぶのも良いでしょう。ただ、やはり重要なのは出会い。「この熊手だ!」という直感を信じるのも選ぶ時の一つの手段です。一年間、愛着のある熊手とともに福を招き入れるよう努力し、来年はさらに飛躍したいものですね。